白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「そうは言っても母上、アンリエッタは実際よくやってくれているよ?」
「忙しい夫のために仕事を手伝うなど、嫁ならば当たり前のことでしょう!」

 貴女の自慢の息子さん、私に丸投げして全く仕事してませんから、丸投げ以上ですけど?
 毎日毎日、遊び呆けておりますけど知ってます?

 ああ、その件でマリアンヌがまた怒っていたのよね。
 あんなに自分だけを一途に慕ってくれる人がいるのに、意味が分からないわ。

「嫁としての仕事というのは、そういうことではないでしょう‼」
「まぁ、そうかもしれないけど……それを言ったら可哀想だよ、母上」

 ダミアンは優しく母の腕を振りほどいたあと、茶色いくせ毛をうしろにかき分けながら私を鼻で笑った。
 そして彼はその髪と同じ色の瞳で、私を上から下まで憐れむような瞳で見てくる。

「アンリエッタが頑張ったところで、子どもが出来るかどうかはね。神様しか分からないことだし」
「何をのんきなことを言ってるの。努力が足りないのよ、この嫁の」

 だから努力云々(うんぬん)と言う前に、そういう行為がないのだから生まれるわけないじゃない。
 だいたいそんなキモイ話は食事中に辞めてよ。

< 255 / 311 >

この作品をシェア

pagetop