白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 でもいいわ。
 この人から全て奪えるのならば、どんな風に思われたって苦ではない。
 今度は私が捨てる番だもの。

「お父様はコマとなるような人間ではなかったですものね。だからもう、必要ありませんわ」
「アンリエッタぁぁぁぁぁ!」

 逆上し突進してくる父をかわすと、声を聞きつけた騎士たちが流れ込み、そのまま羽交い絞めにした。

「な、何なんだおまえたちは! なんの権限があっておれを抑え込んでいるんだ!」

 契約書をこちらが有利になるように書き換えたあと、私は最後の仕上げとして父を売り渡したのだ。
 率いた騎士の中に、よく知った顔……ブレイズがいた。
 
 本来彼のような身分の高い騎士がするべき仕事ではないはずなのに。
 今回の作戦を話した際、どうしてもと引いてくれなかったのだ。
 
 私としては心強いけれど、本当にここまでしてもらっていいのだろうかと思ってしまう。

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