白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 だが、問題はそこではない。
 今そう、ブレイズが言った言葉だ。

「そんなに重く考えないでくれ。まだ早いということも重々承知している。だが、今や注目の的になった君を誰にも……」
「そうじゃなくて」

 居間で近況報告しつつ、ゆっくり二人でお茶をするだけだと思ったのに。
 この人は今自分がどれだけ爆弾発言したのかって、気づいていないのかしら。

 でも気にしないでいいってことは、言葉通りの意味ではないんでしょう。

 どうするのよ……。どうしよう。
 そんなこと言われるなんて思ってもみなかったから。

「私に婚約を申し込みたいだなんて……その意味、分かっていらっしゃるんですか?」

 大人げないとは思いつつも、私は自然と口を尖らせてしまっていた。

 だってそうでしょう?
 婚約って、婚約よね。
 あの婚約よね。
 私は今や男爵位を譲り受けたとはいえ、元平民であのダントレットの娘なのよ。

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