白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 確かにダミアンとの離婚が決まって、父が私の手で失脚したと国中に広まってからは求婚の手紙がなぜか届いてはいたけど。
 どうせそんなのは、商会のお金目当てだって思ってスルーしていたのよね。

 でも、ブレイズはそうではないでしょう。
 だって次男とはいえ、この国の騎士団長だしお金には困っているはずがないもの。

 だとしたら、どういう意味なのよ。
 
 ああこんな時、どんな顔をしたらいいのかまったく分からない。
 普通ってなんだろう。
 あまりに私には無縁の世界で、自分の胸の中にこんな感情があるなんてずっと知らなかったから。

 嬉しいような苦しいような、ソワソワして落ち着かない感じ。

 彼からの答えを聞きたいのに、同時に今すぐ耳をふさいでしまいたいくらいよ。

「もちろん分かっている。……すまない、やはり早すぎて迷惑を」
「そうではなくて、です」

 確かに離婚してから一か月だから、早いのはそうだろうけど。
 問題はそこじゃないでしょう。

 しかし私の言いたいことが伝わらないのか、ブレイズの顔には?だけが浮かんでいるようだった。

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