白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「ではどういう」
「私が世間からなんて思われているのか知っているんです?」
「ああ」
「だったら、普通そんな話にはならないでしょう」
「なぜだ」
「なぜだって」

 もう、これまた一から説明しなきゃいけないやつかしら。
 この人はなんなの。世間に疎いといったって、それ以上でしょう。

「君は今自分が世間からどう見られているのか知らないのか?」
「え?」

 まさかのブレイズの返しに、私の方が固まってしまった。
 今どう見られているかって。
 強欲なとか、腹黒とか、普通に考えてそんなもんじゃないの。

「あの商会長に子どもの頃から虐げられつつ、悲惨な結婚をさせられたにもかかわらず、自分の手で未来を勝ち取った儚くも芯のしっかりした女性だと社交界では噂が一気に広がっているんだ」
「……」

 理解がまったく追いつかない私は、目の前にある紅茶を一気に飲み干した。
 ほんのりと香る花の香りが、少しだけ頭をスッキリとさせてくれる。

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