白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

69 嫌いではない

「困らせる気はなかったんだ。だが、君を誰にも渡したくないのも、本音だ」

 世間がそんなことになっているなんて、全然知らなかった。
 だいたいバツイチなのよ。いくら爵位を得たって、さほど優良物件でもないと思っていたのに。

 評価されることはありがたいけど、それとブレイズから婚約を申し込まれるのはまた別の話なのよ。

 好意を持ってくれているのは知ってたし、意識もしてきた。
 だけどその先までは考えてもみなかったのよね。

「本当に私なんかで良いのですか? いくらブレイズ様が三男だとはいえ、私なんかを相手にしなくてももっと選べるではないですか」
「他など考えたこともない。俺は君がいいんだ。私なんかなど、言わないでくれ」

 ブレイズはそっと私の手に触れた。
 そしてゆっくりと、顔を覆った手を退かす。

 顔が赤い自覚はある。
 真っ直ぐに彼の目を見ることも出来ない。

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