白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 もちろん私一人では到底間に合わず、ミーアや元の形だけの役員たちにも協力してもらっている。

 その分利益率は減ってしまったものの、赤字になるまではいかなかった。
 当分は父が山ほど蓄えたお金もあるから、大抵のことがあっても何も困ることはないだろう。

 ただ少し驚いたのは、父から解放された使用人たちが辞めたいと言い出すのではないかと思っていたこと。
 だけど、ほとんどの人間は商会に残ることを決めた。

 元々、行き先のない者たちを父が集めていたせいもある。
 だから扱いこそ酷かったものの、彼らにとっては生きる場を与えてくれていた父を心底恨んでいる人間は少なかったのだ。

 私にはそれが意外でしかなかった。
 あんな人でも、ほんの少しは必要とされていたなんて……。

「ブレイズ様からいろいろ聞けたわ」

 私がそう言うと、ミーアは早く聞きたいとばかりにお茶を用意して椅子に座った。
 今日ブレイズから父たちの話が聞けると知っていたミーアは、ずっと楽しみにしていたみたいね。

 まぁ、ある意味観劇を見るよりも、よほど刺激的かもしれないわね。
 ミーアは特に、一番初めから私の計画に乗っていてくれたから。

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