白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
 ああ、ミーアもマリアンヌのことを気にかけていたから、そっちだったか。

 気を取り直した私は、もう一つの話を始めた。

「マリアンヌ様たちは隣国へ渡ったそうよ。どうやらそっちにマリアンヌ様の従姉が住んでいるらしいの。でも貴族ではなくなったから、平民として小さな家を借りて二人で暮らしているみたい。その従姉の伝手で、マリアンヌ様が働き始めたって」
「え、元旦那様が~ではなくってですか?」

 うわぁという、なんとも言えない顔をミーアはしている。
 気持ちは痛いほど分かる。だって私も同意見だもの。

 でもそんな気はしていたのよね。
 平民になんてなりたくなかったダミアンは絶対に働かないんじゃないかって。

 今はマリアンヌが望んだ結果として奮闘しているけど、本当に大丈夫かしら。
 
「あの人は平民としてなんて働けないんじゃないかな、たぶん一生……」

 だからいつか、マリアンヌはその先を考えないといけない日がくると思う。
 それがいつかは、私にも分からないし、もしかしたら一生来ないのかもしれないけれど。

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