白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。
「ん?」

 見れば道の奥から一人の女の子が、泣きながらこちらに歩いてくる。
 
 辺りを見ても、女の子の親らしき人は見当たらない。

「もしかして迷子かしら」

 そう言って立ち上がろうとする前に、先にブレイズが立ち上がって女の子に駆け寄っていた。

 そしてその大きな体を屈ませて、女の子に優しく声をかけている。

 私の位置からは少し離れてその会話は聞こえないものの、女の子は身振り手振りでなにかを訴えていた。

 やっぱり迷子みたいね。
 お会計を先に済ませて、あの子の親御さんを探さないとね。

 私は会計の書かれた紙を持ち立ち上がる。
 するとブレイズたちがいる方と真逆の方から走ってきた人が、私に体当たりをするようにぶつかった。

 一瞬何が起きたのか理解できずに、私の体はその勢いに押され、そのまま後ろに尻もちをついた。
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