白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

16 美しき愛人

「ねぇダミアン、この前言っていたドレスの話はどぅなったのー? 王妃様が仕立てたお店と同じところで、作ってくれるって話ょ」
「もちろんわかってるよ、僕のかわいいアンヌ。だけど、今はまだ少し難しいんだ。もう少しだけ待っていておくれ」
「どうして? あの女を妻にしたら、まとまったお金が入るって言ったじゃないの!! だからアタシはダミアンと結婚ができなくても我慢したって言うのに」

 屋敷の奥の離れ。
 本邸から十分近く中庭を歩いて抜けた先に、半分くらいの大きさの白塗の離れがあった。

 パッと見は、小さいのになぜか本邸より造りもしっかりしていて、綺麗だ。
 もし売りに出されたら、こちらの方が小さくても新しくて綺麗だから値段がつきそうね。
 
 そこの裏手の窓際にそっと近づいた私には、中から一際大きな会話が聞こえてきた。

 甘ったるいながらも、かなり怒ったような女の声と、もう一人はたぶん夫ダミアンだろう。

 愛人がいるのは知っていたけど、まさか離れに囲って堂々と、他の女と暮らしていたなんて思わなかったわ。
 前は言いつけ通り、ここには近づかなかったからね。

 確か相手だって、貴族令嬢よね。
 夜会にも妻の代わりにって連れまわしていたし。

 結婚もしていないのに、相手の親とかどうなっているのかしら。
 声からすると、私と年齢もさほど変わらなさそうなのに。

 いくら私と結婚する前から恋人関係だからって、普通の親なら反対するでしょう。

 しかもダミアンは金持ちでもないわけだし。
 あんな人の何がいいのかしら。

 ある程度は予想していたけど、グズすぎるわ。
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