白い結婚にさよならを。死に戻った私はすべてを手に入れる。

30 もっといらない

「んーーーー」

 現実から目を背けようともう一つの手紙を見た瞬間、口にふくもうとしていた紅茶を吹き出しそうになるほど、その宛名に驚いた。

「ゴホっ、な、なにコレ‼」
「大丈夫ですか、アンリエッタ様」

 正面で私の様子を見ていたミーアが駆け寄り、私の背中をさする。
 いやこれはさすがに、大丈夫じゃないかもしれない。

 むせ込みながら私はもう一度その宛名を確認する。

 ブレイズ・ブロンド。
 ブロンド家といえば、この帝都で知らない者などいないだろう。

「なんで私に公爵家からの手紙が来るのよ」
「そうなんですよ。ホントに、何をなさったんですか?」
「えー。なにって……あ」
「え? 思い当たることがあるんですか!?」

 心底驚くミーアから、私は視線をそらした。
 公爵家となんて接点はなにもない。

 だけどこのブレイズという名前……。

 確か、あの感じの悪い騎士団長さんと同じ名前よね。
 もしかして、あの方は公爵家の人だったとかそういう感じ?

「ははははは」

 思わず乾いた笑い声がもれる。

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