吸血少女はハニーブラッドをご所望です(コミカライズ原作です)
 やがてインターフォンが鳴り、スグルくんに呼ばれた。白翔が来たのだと思い、慌てて玄関に向かう。

 吸血のことを配慮して、スグルくんが玄関口にまで白翔を上げていた。それまで白翔と世間話をしていたスグルくんは「ごゆっくり」と言って変な気を利かせてくれた。

「おはよう」の挨拶もそこそこに、制服姿の白翔へ駆け寄ると、彼は目を瞬き、深緋の格好をまじまじと見つめた。口をすぼめて「おぉ」と声を上げている。

「やっぱり深緋、私服いいワ。可愛いじゃん」
「……は?」

 なに、いきなり。

 黄色いカットソーとデニムのショートパンツを合わせた自身の格好を見下ろし、動きが止まる。会ってすぐに吸血を済ませようと思っているのに、白翔の言動には毎回調子を狂わされる。

「あ、ありがと」

 目を合わせるのに照れてしまい、深緋は髪を触りながら目を泳がせた。白翔からの“可愛い”にはなかなか慣れない。そもそも滅多に言われないので当然だ。

 私の方がずっとずっと年上だし。

 外見上は同じぐらいでも、生きてきた年数を考えると妙な気持ちになる。なにしろ白翔が赤ちゃんの頃から、深緋はこの姿なのだ。

 だめだめ、早く吸血しないと!

 俯きがちに首を振り、慌てて白翔に抱きついた。「へっ?!」と彼が頓狂な声を上げる。

「み、みみみ……っ、深緋??」
「シッ、黙って」

 白翔の首筋を指先でなぞり、ゴクリと喉を鳴らした。

 白翔の、……血っ!
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