この恋を執着愛と呼んでしまえば。
「想代、何でこっち見てるの?」

護くんがどこか照れ臭さを誤魔化すように笑ってそう聞く。

「ううん、なんでもない。私も集中して頑張ろうと思っただけ」

「じゃあ、なんでちょっと笑ってるんだよ」

「んー、なんかこの状況が不思議でちょっと楽しいから」

私の返答に護くんが「何だそれ」とツッコミながら、また笑っている。

時計の針は深夜一時半を指しているのに、前の残業時間より寂しくなくて。

本当は他の人がいたら仕事に集中出来ないかな、とかちょっと不安だった。

でも、そんなことはなくてこの環境が嫌じゃない自分に驚いてしまいそうなくらいだった。

「想代、いくら好きで残っているからって無理すんなよ」

「分かってるよ、護くんもね」

再会した時から敬語じゃなくてタメ口だったけれど……今のタメ口は前とちょっと違うように感じていて。

なんというか、前よりもう少し気を許したようなタメ口。
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