この恋を執着愛と呼んでしまえば。
それでも、護くんの涙は溢れ続けていて。






「俺は泣き虫な俺でもずっと良いところを見つけて笑いかけてくれる想代が好きだった。大好きで、ずっと忘れられなかった」

「想代、俺と付き合って」






「うん、私のヒーローは護くんしかいないから」






護くんがそっと私にキスを落とす。



「私はまだ思い出したばかりというか……気づいたばかりの気持ちだから、きっとこれからもっと護くんを好きになると思う」



「俺の方がもっと好きになるに決まっているけど」



護くんがそう言い返すから、二人で顔を見合わせて笑った。

もう大丈夫、と心から思えた。

オフィスの外は月が出ている。

満月でも、三日月でも、ない月。

でも今までで一番綺麗に見えた。

きっと世界はもう甘く幸せに変わり始めている。
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