御門くんの執愛攻めには抗えない~策士な年下御曹司は偽装婚約で愛し堕とす~
「こちらの平面図をご覧ください。才賀先生のお店に関しては、ショッピングエリア中央、約二百坪の区画を確保してあります。エスカレーターのそばになりますので、多くの方の目にも留まりやすいです」
「ふうん、二百坪ね。賃料は?」
「細かい部分はこれから先生とご相談の上で決めたいと思っておりますが、区画ごとの賃料の目安はこのくらいです」
エリアと価格がひと目でわかる一覧表を表示すると、先生はジッと見入った。
「もちろん、先生のご希望次第では別の区画と組み合わせることもできますし、別の場所がよろしければ、柔軟に対応させていただこうと考えております」
才賀先生は顎に手を当てて、じっくり悩み始める。
一時はどうなることかと思ったけれど、この雰囲気なら前向きに考えてもらえそうだ。
安堵しながら次の一手を考えていた時だった。熟考モードだった才賀先生がスッと顎から手を離し、アシンメトリーの前髪をかき上げる。そして、大きくため息をついた。
「ま、やらないけどね」
――え。
「あの、どこかご不満な点でもございましたでしょうか……?」
「それを考えるのがアンタらの仕事じゃないの? 簡単に答えを教えてもらおうなんて思っているなら、営業担当者の考えとして甘いよ」