(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「……ごめん、千奈」


突如カツンと革靴の音が響き、男性の声が聞こえた。


「立花さん」


愁さんが入り口付近に佇む長身の男性に声をかけた途端、辺見さんの目が大きく見開かれた。


「つらい思いをさせて気持ちを疑ってごめん。君はずっと板谷さんが好きだと思っていたんだ」


苦しそうに眉間にしわを寄せて立花さんが言った。


「どうして……私はあなたが好きで、だから婚約したのに……」


震える唇で反論する辺見さんを、立花さんが引き寄せて胸に閉じ込めた。


「ひとりで苦しませてごめん。きちんと話をしよう。俺の話を聞いてほしい」


立花さんの胸の中で、辺見さんは何度もうなずく。

ふたりの様子を見つめる私の腰に長い腕が触れた。

視線を動かせば、愁さんが人差し指を唇に当てて目配せをする。

一度だけ首を縦に振ってそっと扉からふたりで退出した。
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