(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
「……ひどい言い方をして悪かった。元々君を疑ってはいない。ただもう一度、確かめたかったんだ」


「なにをです? 危機管理能力のなさと板谷社長に取り入るための罠、失恋をですか?」


「いいや、違う」


首を横に振って、私の頬にかかる髪にそっと触れた。

骨ばった指が微かに頬から耳を掠めていく。

突然の優しい仕草に戸惑いを隠せない。


「ピアス、覚えてる?」


尋ねられ、失くしたピアスを思い出す。

衣類やバッグを確認したけれど見つからず、後日庭園でも探してみたが見当たらなかった。

ホテルの部屋番号を覚えていなかったので、仕方なく半ばあきらめていた。


「眠るときに『ピアスが当たって痛い』って言うから、外して俺が預かったんだ」


記憶に残っていない恥ずかしい自分の行為に頬が一気に熱を持つ。


「……ありがとう、ございます。ずっと探していました」 


なんとか羞恥をこらえ、返答する。

そんな私を板谷社長は口角を上げて見つめる。

けれどその視線はなぜか少し前よりもずいぶん穏やかで優しく、戸惑う。


「じゃあ、今度また持ってくる」


甘い低音が耳をくすぐる。


「……え 」


予想外の返答に思わず気の抜けた声がこぼれ落ちた。
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