(2025改稿版)俺の妻は本当に可愛い~恋のリハビリから俺様社長に結婚を迫られています~
小さく息を吐いて観念し、電話番号を伝える。

すると彼はポケットから名刺を取り出して、サラサラとなにか書き込む。


「俺の連絡先。これからは姉を通さないように」


念押しとともに名刺を渡される。


「社長、そろそろお時間です」


次の約束を促す冷静な津田さんの声に、板谷社長が不機嫌そうに眉間にしわを寄せる。


「タイミングが悪いな」


やってきた津田さんに視線を向けた後、私の顔を近い距離から覗き込む。


「またな。今後、外でひとりで酒は飲まないように」


「飲みません」


即座に返答した私に満足したのか、ふわりと相好を緩める。

軽く手を振って去っていく後ろ姿をただじっと見つめる。


「きっともう会うはずないのに」


するりとこぼれ落ちた声は、なぜか弱々しかった。
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