後悔しない、ひとつのこと
そもそもなんで私が木浪の笑顔を嘘くさいって思ってるかって言ったら、

「目が寂しそうなんだよね」

「なに爽。すっごい怖いよ」

放課後の教室で瑞希が心底怯えたような顔をする。

「うんうん、見えない何かと喋ってるみたいだった」

そこに優菜が同調。いつものことだ。

「うそ!声に出てた?」

私は驚いて席を思いっきり立つ。これもいつものこと。

「「ばっちり」」

そう言って2人はウィンクをお見舞いする。
ここまでがセットである。

「爽ってば、ずーっと悩んだ顔してるね」

そんなに顔に出てるのかな。

「ごめんごめん」

「何かあるんだったら無理にとは言わないけどさ、頼ってよね」

「そうだよ。あ!もしかして恋の悩み?」

恋、ねぇ。昔は高校生になればできるもんだと思ってたなぁ。

「彼氏いない歴=年齢の私には無理かな」

中学生の時は恋に恋したこともあったけど、

「瑞希も優菜も彼氏持ちですからね」

「「やだ、もう」」

シンクロ率高めな2人は優しい彼氏さんがいて。

でも私は木浪をお腹がちぎれるぐらい心から笑わせるのが目標だから。

人の役に立ちたいんだ。エゴかもしれないけど。
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