幸せの青い小鳥を助けたら、隣国の王子に番になってくれと求婚されました

3小鳥の求婚

 シーラが青い小鳥を拾ってから一週間が経った。小鳥はみるみる元気になっていき、部屋の中を飛び回れるくらいにまで回復した。

 小鳥が目覚めてからすぐに、屋敷の倉庫にしまわれていた鳥かごをフルールが綺麗にして持ってきてくれた。小鳥は最初、シーラの側を離れるのを拒んだが、シーラが根気強く小鳥へ鳥かごに入るよう言ったため、しぶしぶ鳥かごで過ごすようになる。今では鳥かごの中もお気に入りの場所の一つになったようだ。

「おはよう、小鳥さん。今日も元気みたいでよかった」

 鳥かごの扉を開くと、小鳥は元気よく鳥かごから出てきて、すぐにシーラの肩へ止まる。それから、シーラがシーラの部屋にいる時はそのほとんどの時間をシーラの部屋で過ごしていた。

「あなたは一体どこから来たの?もう飛べるようになったし、外に離してあげてもいいのだけれど……。でも、まだあの悪そうな人たちがあなたを探しているかもしれないものね」

 シーラが指に小鳥をとまらせながら不安げな顔でそう言うと、小鳥は首をかしげてピ、と小さく鳴いた。

(この子をいつまでここで保護するかちゃんと決めないと……)

 そう思いながら窓の外を眺めていると、馬車の音が聞こえてくる。そして、屋敷の前で止まる音がした。
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