幸せの青い小鳥を助けたら、隣国の王子に番になってくれと求婚されました


「シーラ様、この小鳥は一体……」

 フルールが朝食の時間だとシーラを呼びに来ると、部屋の中に小鳥がいることに気が付いて驚いた。小鳥は、まるで自分はシーラのものだと言わんばかりの堂々とした顔でシーラの肩にとまっている。

「この子、昨日森で出会ったのだけれど、木から突然落ちてきて、悪い人たちに狙われているようだったから拾ってきたのよ。フルール、お願いだからこの子がいることをお姉さまや他の人には言わないで欲しいの」
「……まあ、そうだったんですか。確かに見たことが無い種類ですし、ずいぶんと珍しそうな小鳥ですね。キリル様や本家の皆様に知られたらあっという間に売られてしまいそうです。わかりました、シーラ様の願いであれば、このフルール、絶対に他言は致しません」

 フルールがキリッとした顔でそう言うと、シーラは嬉しそうに微笑んでお礼を言った。青い小鳥は、シーラとフルールをジッと見つめている。

「それにしても、ずいぶんと懐いているんですね。拾ってきたばかりなのでしょう?シーラ様が命の恩人だってわかっているんですかね」

 フルールがそう言うと、小鳥はててて、と移動してシーラの首元に顔を摺り寄せる。

(んんっ!可愛いっ!)

 シーラもフルールも、その可愛らしい仕草にノックアウト寸前だ。

「この子は森に戻れるまで絶対に何があっても守りぬきましょう!」
「ええ、絶対に守って見せるわ!」
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