【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
「いいえ、わたしのせいです。わたしが……」

「いや、君は悪くないよ。僕が油断して毒を刺されたから……」

「毒っ!? 毒ってどういうことですか!」

「部屋の前にゴロツキがたくさんいたから、ちょっと揉めてね」


シルヴィーもよく覚えている。
部屋から出ると男たちが山のように積み上がっていて、逃げる時にぶつかってしまったのだ。
アデラールの話を聞くと、シルヴィーを助けようと戦ってくれたのだとわかる。
あそこにアデラールがいてくれなかったらシルヴィーはどうなってしまっただろうか。


「どうしてそんな無茶を! 何かあったらどうするんですかっ」

「君を囮にした。何があっても助けようと思ったんだ」

「囮だなんて……! あれはわたしが騙されただけでっ」

「怖い思いをさせたんだ。それくらいは当然だろう?」


二人で三年前のことについて言い争いしていたが、次第におかしくなってしまい笑みがこぼれる。
いつの間にか笑い合っていると、ホレスが不思議そうにしているのが見えた。


「なかよし?」

「「…………」」


ホレスの問いに、二人で再び目を合わせて困ったように首を傾げることしかできなかった。
するとリサが馬車に顔を出して、ホレスの面倒をみてくれると申し出てくれた。
ホレスはリナの元に駆け寄り、いつものように遊ぶと思っているのかついていく。

その間にアデラールと話してということだろうか。
どうやら今すぐに牢の中に入れられることはないようだ。

(でも殺されないのならよかった……ホレスの成長を見れるのは嬉しいわ)

アデラールに結婚を申し込まれたことも忘れて安心していると……。


「どうやら互いに勘違いしていたみたいだね」

「……そう、みたいですね」

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