【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜

ミリアムの体からは大きな炎がぶわりと吹き出した。
それは以前の彼女からは想像できないほど大きな力だ。

だが、それだけ。

ミリアムにとっては大きい力なのかもしれないが、公爵家で火属性を使う人にとっては普通かそれ以下のことだろう。
シルヴィーはミリアムの魔法に違和感を覚えていた。

(この感覚……まるでこれから消えてなくなってしまいそうな最後の……)

シルヴィーは魔法について改めて学ぶ機会をもらっていた。
アデラールの働きかけもあり、珍しい魔法属性も育てていけば強大な力に繋がることもわかった。
そこでシルヴィーも己の魔法について、使い方の幅が広まり、魔法の伸ばし方を学ぶ機会を得ていた。


「君はこの会場を燃やす気なのかい?」

「…………え?」

「皆の迷惑だ」


ジュッ、という音と共にミリアムの火は消えてしまう。
それから子爵夫人を含めて水浸しになっている。
どうやらアデラールが水魔法を使ってミリアムの魔法を消したようだ。


「僕が見る限り、最後の灯火という感じがするけれど……もう君の力は尽きてしまうんだね」

「最後……? そんなわけないわっ」


どうやらシルヴィーの予想は当たったようだ。
ミリアムは何度も魔法を使おうとしているようだが、先ほどのような大きな火が上がることはなかった。
彼女の魔力がどんどんと小さくなっていくのを感じた。
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