【完結】売られた令嬢は最後の夜にヤリ逃げしました〜平和に子育てしていると、迎えに来たのは激重王子様でした〜
「彼女のものを燃やしてパーティーやお茶会に出させないように嫌がらせをし、婚約者を奪い取り、追い出したのは君たちも同じだ。それから彼女の美しさへの嫉妬も……」

「──うるさい! あの女の話をしないでよっ」

「ミ、ミリアムッ!」

「ぁ……」


どうやら彼女が一番触れて欲しくない話題だったようだ。
ミリアムが怒号をあげたのを冷めた目で見ていた。

(運命などと言っておいて、この態度とは笑えるな)

すぐに感情を荒げて言葉を吐き、表情を取り繕えない。
自分の立場すらわかっていない愚かな令嬢だと思った。
彼女の母親が焦りつつミリアムとアデラールを交互に見ている。

(謝罪もできないとは……救いようもない)

こんな奴らだからこそシルヴィーは自分から出て行ったのだろう。
一番悔しいのはそんな彼女を救い出せなかったことだ。
もっと早く動いていたらこんなことにはならなかったはずだ。


「不敬だな。死にたくなかったら二度と僕の前に顔を見せないでくれ」

「もっ、も、申し訳ございません!」


涙を浮かべながらこちらを見つめるミリアムを見ても何も感じることがない。


「聞こえなかったのか? 不愉快だ。二度と顔を見せるなと言ったんだ」

「ヒッ……!」

「次は容赦はしない。シルヴィーに何かしたらお前たちを殺す」


アデラールの顔を見て逃げ帰るより去っていく。

(……シルヴィー、約束通り君を必ず守るよ)
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