そのキス、契約違反です。~完璧王子の裏側には要注意~
「私もね……自分で自分が、嫌いなの」
その瞬間。
蓮が、私の腕を掴んで、ぐっと肩を引き寄せた。
抱きしめるほど強くはない。
でも、逃げられない距離。
「…………彩葉が自分を嫌いでも」
低い声が、すぐそばで響く。
蓮の手が私の髪に触れた。
指先で、そっとすくうように。
「俺は、彩葉の事が好き」
私の髪に、軽く蓮の唇が触れた。
「……蓮」
「好きだよ」
真っ直ぐで、迷いのない声。
ごまかしようがないくらい、
心臓の音が速くなる。