Reunion love.
「…好きだったよ。ちゃんと」


 わかってはいたけど、過去形。

 現在には好きなんて感情はほんの少しも残っていないのだろう。私がした馬鹿な事が無かったら、その言葉は現在形でもらえていたのだろうか。

 真っ直ぐこちらを見て迷い無く答える太一くんに、出来る限り明るく「そっかあ」と答えた。私が、今になって好きだったと言ってもらえるだけ幸せな事だったと思うし、傷付く資格なんてないから。

 ようやくこの人に愛されていたという自信を持って、少しは前に向けるのではないかと思った。今は何も思っていないと言うのを改めて知れたし、友人に戻れただけでも贅沢な事なのに、これ以上を望むのはやめにしよう。


「…私も好きだった」

「そう。てか、終電無くなるから帰るわ。また同窓会で」

「うん、気を付けてね」

「純花もな」


 そう言って背を向けて駅の方に歩いて行く太一くんを見送る。

 私は太一くんに出会ってから嘘をもう2度も吐いた。会ってみたら意外と普通とか、私も好きだったとか。

 普通なんかじゃない。再会してやっぱり好きだと思ったし、ずっと気持ちを過去の物に出来ていない。

 私は好き"だった"じゃなくて、まだ好き"だ"なのだ。


「…諦めなきゃ、全部」


 この気持ちが嘘だとバレる前に、吐いた言葉を全て本当にしてしまえばいい。
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