Reunion love.
「じゃあ、今日はありがとう」


 居酒屋での食事を済ませて、そのまま店の前でお別れの挨拶をする。

 先程の会話もあってか、別れ際は少し気まずい空気感が漂っていた。


「こちらこそ。前に会った時よりは顔色良くてまだ安心した」

「ええ、前そんなに顔色悪かった?」

「心配になるぐらいにはな。次、同窓会の時だと思うけど、ちゃんと次会うまでの間も食っとけよ」

「分かった」


 面倒見の良いお兄ちゃんみたいなことを言う太一くんにそう返事をして少し笑う。

 今日は少し辛かった。友人として付き合っていくのにはいいけど、恋人として付き合っていくのは合わないし、はっきりそんな気はないと太一くんに言われた様な気がして、今日は泣いてしまう前に早めに解散したくてご飯だけで終わらせた。

 そもそも元恋人と10年越しに復縁なんて、そんな夢みたいなこと無理な話だったのかもしれない。

 でも、一度くらい太一くんに好きだったと言ってほしかったと思った。


「じゃあ、気を付けて帰れよ」

「あ…、待って」


 スーツの袖口を掴んで少し引くと太一くんは驚いた表情をしていた。ここで引き止められるなんて思っていなかったのだと思う。


「…さっき太一くんは、好きじゃなかったら付き合ってないって言ってたよね」

「うん」

「…私が欲しいのはそう言う言葉じゃなくて…、好きだったって言ってほしい」


 ちゃんと好かれてたって自信が欲しかったし、前を向くためにもきちんと言葉でほしかった。
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