Reunion love.
 彼と別れてから約10年が経った。29歳になったばかりの年末の仕事帰りだったと思う。その日は残業でかなり遅くなってしまって、終電までの本数も残りわずかくらいの時間帯。

 高校の時の同級生から連絡を貰って中身を見ると、急遽年始明けに同窓会をやると言う案内だった。

 今まで結婚式などにも彼に会うのが怖くて、同級生との関わりがありそうなことを避けてきていたし、今回も断るつもりだった。

 きっと彼に会ってどんな目を向けられるのかが怖かったのもあるけれど、今は彼に恋人があるのかどうか知るのも怖かったのだと思う。

 私はこんなに引き摺ってしまっていて、彼はもう幸せな道を歩き出しているなんて受け止めたくはなかった。

 どうせ幸せになっているのであれば、それを知らない様にしたいと、避けていたのだけど、連絡をくれた私と仲の良い友人はそんな私を放っておいてはくれなかった。


純花(すみか)、同窓会は来なよ。周りみんな会いたがってるしさ』

「うーん…、あのさ…」


───太一くんはくる?


 その質問は出来なかった。こんなことを聞いたら太一くんと何かあったと勘付かれてしまうなと思い、そこまで言葉を掛けたのに「なんでもない」と続きの言葉は言わなかった。


 真澄(ますみ) 太一(たいち)、私が高校時代交際していた彼の名前だ。


 自分のせいで関係を終わらせることになったのにまだ忘れられないのは、彼ほど正直で真っ直ぐ人に会った事が無い。私はそんな彼がずっと好きで、今まで何人かお付き合いはしたけれど、忘れさせてくれる人には出会えなかったのだ。
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