Reunion love.
 少しだけ歩くペースを落として2人から距離を取った。

 こんな盗み聞きみたいなこと良くないし、これ以上は自傷行為だ。

 声もかけず裏で探るようなことをするから私はまた、太一くんの好きなタイプの女性から離れて行ってしまう。

 きっと彼が好きなタイプの女性は、こういう時普通に明るく話しかけられて、こんな薄暗い感情を抱いて面倒なことを言わない。そして嘘を吐かないそんな芯の通った女性だと思う。

 きっとあの2人も駅に向かっているのだろうから、鉢合わせないように遠回りをして駅に向かうことにした。

 何なら今日はタクシーを使ってもいい。

 そう思って太一くんに背を向けて歩き出そうとした、その時「純花?」と声を掛けられた。

 今日は気付かないでいてほしかったのに、どうしてこういう時ばかり気付くのか。

 好きな人の声で呼ばれれば無視はできず、振り返ってしまう。


「…太一くん」


 隣の女性は不思議そうな表情でこちらを見ている。


「今日は出社の日だったわけ?」

「あ…、うん。そう。太一くんは?今帰り?」


 今帰り?にはこれからどうするの?という質問もうっすら含まれていて、ごく自然に問いかける。

 太一くんは軽く溜息を吐くと、女性の方をちらっと見た。
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