Reunion love.
「…太一くん」


 その名前を呼ぶも彼は私に目を向けず、私がぶつかった相手を睨みつけている。

 こういう時に見て見ぬふりしないで助けてくれる所も、太一くんだと感じた。


「なんだてめぇ。俺は今この女と話してんだよ。消えろや」

「さっき誰か警察に通報してたんで行った方が良いと思いますけど」


 太一くんの言葉に流石にまずいと思ったのか、舌打ちをしてそのまま立ち去ってしまった。


「あ…、ありがとう」

「大丈夫なの?どっか怪我は?」

「大丈夫だよ」


 久し振りの再会でどう言葉を交わして良いかわからない。1年半前、再会した時よりもずっとずっと気まずくて、会いたかったのにどう言えばいいか。

 それに今は先程の恐怖も残っていて、正直何も考えられなかった。


「…歩ける?」

「あ…、いや…、ちょっとコンビニのイートインコーナーで休んでいこうかな…。ごめんね、お時間取らせちゃって」


 私が苦笑いして取り繕い、太一くんから離れようとすると溜息を吐いていた。


「もういい加減それやめろよ」

「それって…」

「1人でどうにか出来るふりすんな。こんなんで時間取ったとか思わねぇから」


 私がきっと、また我儘を言わない様にしているだけなのを見透かされていた。

 結局何も変わらない、私は。

 何も言い返せない私に軽くかがんで目線を合わせてくれる。


「どうしたらいい?誰か呼ぶ?俺でも良いなら傍に居るけど」

「……一緒に居て欲しい」

「わかった。ひとまず、どっか店入るか」


 そう言いながら辺りを見渡す太一くんの手を繋ぐと、少し驚いた表情でこちらを見ていた。
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