Reunion love.
「ごめんね、今だけ繋いでても良い?」


 そう問い掛けると太一くんは握り返してくれた。

 今は状況が状況だからか、拒む事はしなかった。


「店入るよりも家帰った方が良いなら送るけど。ここならタクシーも簡単にまだ時間的にも捕まるだろうし」

「…久しぶりだし、ちょっとだけ話さない?ご飯まだだよね?」

「純花が大丈夫ならそれでもいいけど、なんか食いたいのある?」

「その辺の居酒屋で」

「了解」


 そんな会話をすると太一くんは私の手を引いて歩き出した。

 私は馬鹿だ。久し振りに会って変わらずときめいて、何も懲りていない。

 1年経っても姿を見て触れてしまえば、好きな気持ちを思い出すに決まっている。


「太一くんも、今日は遅かったんだね?」

「残業した。週明けすぐの仕事片付けるために」

「そうなんだ、お疲れ様」

「そっちも」


 久し振りだけど緊張しているのは私だけで太一くんはいつも通りだった。久し振りに手を繋いで鼓動が鳴っているのもきっと私だけなんだと思う。

 今手を繋いでくれていると言うことはきっと恋人もいない。いたら傍に居てくれはしても、手を繋いだ時点で払われると思った。
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