Reunion love.
「多分ビビッて前に進めないのは俺の方なんだろうな。何も変わんなくていいやって現状に満足して、関係がまた壊れるくらいならこれでいいって思ってた」


 失うのが怖いのは同じ気持ちだ。

 高校時代に交際して振られた時の事を大人になってから話した際、太一くんは私を嫌いではなかったけど、今後うまくいくと思えなかったから別れを選んだと言っていた。

 嫌いじゃなかったならその選択を取る事にもかなり悩んだと思う。

 その時の気持ちが太一くんにとって、トラウマになってしまっているような気がして、きっと本人にその自覚は無い。

 太一くんは覚悟を決めた様に私の顔を見ると、それから少しだけ笑みを零していた。


「やっぱ格好良いよな、純花は。俺に寄り添うなんて考え方出来なかったから、そういう考え方があるんだなって思った。正直自分の事で頭一杯だったし、情けないなって思うよ」


 そう言葉にする太一くんに首を横に振る。

 それから太一くんは私の手を取って軽く握る。


「縒りを戻してほしいって言うのは俺の方だな。こんな情けない俺をずっと好きで居てくれたんだから」


 情けないなんてそんな風に思った事なんてない。たくさん悩んで迷う事なんて誰にでもあるし、私だって何度も諦めた方が良いのかもしれないと迷いもした。
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