至上最幸の恋
「黒瀬君の仕事、横取りしちゃったよ」
そう言って、手にしていた私の上着を広げる。お礼を言いながら袖に腕を通すと、磯崎さんが丁寧に襟元を整えてくださった。
「結構、寒いね」
「ええ。3月は、まだ冷えますね」
磯崎さんと一緒に、澄んだ夜空を見上げた。
とても静かで、穏やかな空気が流れている。この美しい星空を、瑛士さんと一緒に眺めたかった。
「瑛士君のこと、考えてる?」
静かな声で、磯崎さんが言った。
やっぱり、磯崎さんには分かってしまうのね。私は素直に頷いた。
「さっきの、あの曲……『愛の夢』は、4年前に瑛士さんからいただいたオルゴールの曲なんです」
「そうなんだ」
「この曲のことはまったく知らずに、ピアノの形だから、という理由で選んでくださったみたいなんですけど。私の大切な宝物ですわ」
「そっか」
磯崎さんが少し俯いた。ふっと、空気が張りつめた気がした。
「……僕じゃだめかな」
俯いたまま、呟くように磯崎さんが言った。
「エリサちゃんと一緒に歩く相手……僕じゃ、だめかな」
今度は、目を見て言われる。
撮影のときとは、まったく違う真剣な表情。とても真っすぐで、逃げ場をなくしてしまうほど誠実な瞳だった。
「あ、あの、一緒に歩く相手って……」
「僕はエリサちゃんのことが好きだ。だから、結婚を前提に、僕と付き合ってほしい」
自分の鼓動が聞こえる。
こんなふうに想いを告げられたのは、初めてだった。
そう言って、手にしていた私の上着を広げる。お礼を言いながら袖に腕を通すと、磯崎さんが丁寧に襟元を整えてくださった。
「結構、寒いね」
「ええ。3月は、まだ冷えますね」
磯崎さんと一緒に、澄んだ夜空を見上げた。
とても静かで、穏やかな空気が流れている。この美しい星空を、瑛士さんと一緒に眺めたかった。
「瑛士君のこと、考えてる?」
静かな声で、磯崎さんが言った。
やっぱり、磯崎さんには分かってしまうのね。私は素直に頷いた。
「さっきの、あの曲……『愛の夢』は、4年前に瑛士さんからいただいたオルゴールの曲なんです」
「そうなんだ」
「この曲のことはまったく知らずに、ピアノの形だから、という理由で選んでくださったみたいなんですけど。私の大切な宝物ですわ」
「そっか」
磯崎さんが少し俯いた。ふっと、空気が張りつめた気がした。
「……僕じゃだめかな」
俯いたまま、呟くように磯崎さんが言った。
「エリサちゃんと一緒に歩く相手……僕じゃ、だめかな」
今度は、目を見て言われる。
撮影のときとは、まったく違う真剣な表情。とても真っすぐで、逃げ場をなくしてしまうほど誠実な瞳だった。
「あ、あの、一緒に歩く相手って……」
「僕はエリサちゃんのことが好きだ。だから、結婚を前提に、僕と付き合ってほしい」
自分の鼓動が聞こえる。
こんなふうに想いを告げられたのは、初めてだった。