始まりは一夜の出会いから
「はー、2人でも広い家だね。1人で住んでたんだよね。佐々木さん」


 美月も初めて新くんの家に来たのか見渡しながら、少し驚いた声を発している。

 確かに1人で住むには十分すぎるしセキュリティーも広さも綺麗さも豪華すぎる。私も昨日ここに来たときは良い家に住み過ぎて驚いた。

「まあ、別に有咲と新しい物件見に行っても良かったんですけど、立地めちゃめちゃいいし広さも申し分ないし、セキュリティーも良いしで割と気にいっちゃってて」

「そんな事言ってるけど初めから2人で住む想定で決めてたじゃん新」

「そりゃもちろん!実際今回は助けられましたしね。この家の広さに」


 耳が痛い。急に押しかけたからそんな言い方をされているのだろう。

 責められている感じには聞こえないけど新くんに微笑まれて私も苦笑いで返す。

 確かにこんなに十分な広さが無かったら今頃2人できちきちだったかもしれない。


「でも、もし有咲が来なかったらどうするつもりだったの?」

「その時はその時で別で引っ越すだけですよ。言ったでしょ、それも視野に入れて考えてたって」

「お金の暴力こわ。何であんなに飲み歩いて、普通に貯金出来ているのがまじで意味わかんないんだけど」

「稼いでたんで」


 美月の問いに笑顔で答える新くんに美月はうえーと嫌そうな顔をしていた。

 大手の営業部のエースは私達には想像も付かない程稼いでいるという事らしい。
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