始まりは一夜の出会いから
 週明けの会社での事。

 美月といつも通り受付に立って暇な時間で軽く雑談する。


「どうなのさ、佐々木さんとは」

「…佐々木さんと歴代彼女の話聞いた事ある?」

「え、何それ。そんなの聞きたいの?」

「あ、いや。聞きたくは無いけど、今までがどうだったのかって考えちゃうことがあって」


 そう言って新くんの様子を思い浮かべた。

 私にだけあんなに甘いのか、彼女にはああなのかなんてくだらないことを考えてこんな質問をしてしまう。

 聞いてどうするとかはないけれど、ただの好奇心で聞かなくても聞いてしまうのが私という人間な気がする。その上傷付くので厄介極まりない。


「佐々木さんと元カノ達は続いてた記憶無いな。すぐ別れてるかも。短くて3日とか」

「み、3日?」

「あの人メンヘラ製造機だから。最初は大事にするけど、飽きたら放置」

「…飽きたら放置」


 もしかして甘やかされているのは、私が付き合いたてだから?と、そんなことを考えて息が詰まりそうだった。

 私も飽きたら捨てられるのだろうか、なんて考えていると美月が何かを察した様な反応を示して苦笑いしている。


「有咲は…、別の意味で覚悟した方がいいかも」

「…え?」

「きっと離してって言っても離してもらえない」


 そう言って笑う美月に、首を傾げた。

 どうして私だけそんなに対応が急に違うくなるのか。
 今までの歴代彼女達と私に、何か違うのがある?

 疑問が浮かんできて考え続けていると、1つの答えに辿り着いた。


「…身体の相性…?」

「いや、違うと思うけどなあ。というか、真昼間から生々しい話やめて」


 美月にそうツッコまれてそれ以上は何も言わなかった。

 確かに自分でも何を言っているんだろうとは思ったけど…、そんな拒絶しなくてもいいじゃないか。
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