始まりは一夜の出会いから
 お風呂から上がると、宣言通り新くんが髪を乾かしてくれていた。ドライヤーの心地良い風と、丁寧に仕上げられていて、飛びっきり甘やかされている。

 新くんと交際して、こんなに甘くなるなんて。元々甘い人だったから、これ以上に甘くなるなんて知らなかった。

 世間ではこういう人をスパダリと呼ぶのか。

 ここ最近全く会えていなかったから、こういうことでもトキメキが倍増する。


「こんなに甘やかされてもいいのかな…」

「俺と付き合ったら糖度高めなので、気をつけて下さいね」

「甘やかされすぎると駄目人間になる〜!」


 本当に自分じゃ何も出来なくなってしまうんじゃないのか私。

 しかも久しぶりに会えてこんなに甘やかされたんじゃ、たまったもんじゃない。


「今まで誰にも甘やかされずに来たんですから、これからはとびきり俺に甘やかされてくださいね」

「嫌だよ、何も出来なくなるじゃん」

「それが狙いですよ。そうなったら俺から離れられないでしょ?俺に依存しちゃう有咲さん絶対可愛い。あ、今も可愛いです」

「やめて!」


 そう言葉で抵抗する私に少し笑うとドライヤーを止めて髪に優しくキスを落とす新くん。この甘さにはまだ慣れない。
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