転生脇役令嬢は原作にあらがえない
「……まさか、私が彼女に好意を寄せるとでも思ったのですか?」
心外だという顔で言うクレイヴにますます笑ってしまう。
「だってロッティ・アーチボルト嬢はとても綺麗な方でしょう?」
「お嬢様、怒りますよ」
それは自分への信頼を損ねたという事実からくる不機嫌さ。自分を当然信じていて欲しかったという我儘が透けて見えて、わたくしはまた笑みがこみあげてきてしまう。
「また『お嬢様』に戻っているわ」
「っ慣れるまでは仕方がないでしょう」
「そうね、クレイヴ」
ふふふ、とまた笑いが漏れて、わたくしはクレイヴの腕にそっと手を絡める。
「だいすきよ」
「……今それを言うのはずるいです。もう、怒れないじゃありませんか」
そう言いながらそっぽを向いたクレイヴは、それでもしっかりとわたくしの腕を離さない。
小説通りの言葉でも、クレイヴは小説通りではない行動を取ってくれた。クレイヴはわたくしがもっと彼のことを信じていいのだと、訴えてくれる。その事実が嬉しくて、わたくしは上機嫌で夜会を終えたのだわ。
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次エピソード「原作小説がメリバエンドだと心が辛い ※残酷描写あり(飛ばしてもOK)」は、原作小説のあらすじです。
残酷描写が苦手な方は、飛ばして次のエピソードにお進みください。
飛ばしてもストーリーはわかるように書いています。
よろしくお願いいたします。