家族に裏切られ全てを奪われた私は、辺境地に住む強くて心優しい彼に出逢い、沢山の愛と優しさに触れながら失ったモノを取り戻す
「こんなものだろう。腕の方はまだ痛みがあるようだから無理はするな。分かったな?」
「はい、ありがとうございます」
「それじゃあ、そろそろ本題に入るとするか」

 手当てを終えたギルバートは使った物を手早く片付けると、エリスと向かい合う形で椅子に座り直して話を始めた。

「――単刀直入に聞く。お前は誰に命を狙われているんだ?」
「……それは……」

 ギルバートは回りくどい事が嫌いだった。

 だから、知りたい事だけを正確に聞いたのだが、エリスはその答えを口にするのを渋っていた。

 それはギルバートを信頼していない訳じゃ無い。

 自分の命を狙っているのがシューベルトとリリナである事はほぼ見当がついているのだが、寝ていたところを襲ってきた男が果たして二人が差し向けた者なのかが分からず、ハッキリしていない事を口にするのを戸惑っていた。

 そんなエリスを前にしたギルバートは彼女が何を躊躇っているのか何となく察した上で、質問を変えた。

「――よし、それでは質問を変える。お前は何をどこまで知っているんだ?」
「どこ、まで……?」
「何か話を聞いたとか、見たものがあるんじゃないのか?」
「それ、は……」

 ギルバートの質問に、エリスは戸惑う。

 何故この人は自分の置かれている状況が分かるのかと。
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