奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 エリュシアの率直な問いに、彼女は肩をすくめた。

「その気がなければ、わざわざここには来ませんよ。私も、協力を求める立場ですからね……さて……まずは、どこから始めましょうか」

 パン、と彼女は両手を打ち合わせる。
 必要なのは情報だ。
 その情報を集めるためには、どうすればいいのか――。四人は、真剣な顔をして打ち合わせを始めたのだった。
 最初に考えなければならないのは、皇帝に目をつけられないように動くにはどうすればいいのかだ。
 身分証明書の発行には時間がかかるが、あらかじめ複数の身分を用意しておけば、簡単に乗り換えることができる。

「では、俺は――学者だな。魔道具や魔術について調べるならば、古い記録を自由に見られる立場がいい。俺が調べていれば訝しまれるだろうが、学者ならば気にされない」

 皇宮には貴重な資料がたくさんあるが、エリュシアやシャリーンがそれを調べたいと言ってもなかなか許可は出ない。
 そもそも、エリュシアは、今のところ皇宮にはあまり近づかない方がいいだろうという点で意見が一致している。
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