奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
皇宮に赴くことがあるとすれば、危険を冒してでもそうする必要性が出てきた時になってからだ。
そこで、ディーデリックは、魔術について研究している学者という身分を用意することになった。その身分で資料を保管している場所――あちこちにある――に出入りし、必要とあらばその身分は捨ててしまえばいい。
「『エリア』は私の弟子として、普段『エリア』として生活しているのならば、もうひとつ身分を作った方がいいわね」
「でしたら、我が商会で働く者としてはどうでしょう? エリアは専属の職人です。もうひとつの身分は従業員とすれば……そうですね、宝石を商う者ならば、貴族社会に潜り込むことができるでしょう」
トーマスは商会全体を束ねる立場にある。
直接彼が商談に赴くのは、重大な用件であると彼が判断した時のみ。
貴族を相手にする商売ならば、当然彼か、彼が信頼する重役が行かねばならない。
「魔道具には、宝石も使いますからね。エリュシア様も、宝石にはある程度お詳しいでしょう」
「魔宝石なら……多少は。魔道具に使った時、どんな反応を示すかということしか知らないけれど」
そこで、ディーデリックは、魔術について研究している学者という身分を用意することになった。その身分で資料を保管している場所――あちこちにある――に出入りし、必要とあらばその身分は捨ててしまえばいい。
「『エリア』は私の弟子として、普段『エリア』として生活しているのならば、もうひとつ身分を作った方がいいわね」
「でしたら、我が商会で働く者としてはどうでしょう? エリアは専属の職人です。もうひとつの身分は従業員とすれば……そうですね、宝石を商う者ならば、貴族社会に潜り込むことができるでしょう」
トーマスは商会全体を束ねる立場にある。
直接彼が商談に赴くのは、重大な用件であると彼が判断した時のみ。
貴族を相手にする商売ならば、当然彼か、彼が信頼する重役が行かねばならない。
「魔道具には、宝石も使いますからね。エリュシア様も、宝石にはある程度お詳しいでしょう」
「魔宝石なら……多少は。魔道具に使った時、どんな反応を示すかということしか知らないけれど」