奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「……お妃様方は最近、夜会にもいらっしゃらないし……そうね、まだ献上はしなくてもいいかもしれないわね」

 と、伯爵夫人は笑う。それから彼女は、エリュシアの方に身を乗り出した。

「ところで、この魔道具はどのぐらいの数を用意できるのかしら? 友人に紹介してあげるわ。その前に、私にはあと二つ売ってくれる? ダイヤモンドとサファイアがいいわ。青くて美しいサファイアが好きなの」
「奥様の分はすぐにご用意いたします。それ以外の方の分は、そうですね。五つも用意できれば上々でしょうか。魔宝石はどのようなものをご用意いたしましょうか」
「……そうね、ルビーにエメラルド……あの方は、サファイアが好きだったわね。サファイアも用意できる? アメジストは使えるかしら。エメラルドを欲しがる人は二人心当たりがあるわ。どれもダイヤモンドを組み合わせてちょうだい」

 その気になればもう少し数を増やせるけれど、今のところはその程度にしておく。

「……では、次の茶会にいらっしゃい。そこで売り込むといいわ」

 友人に先んじて数を揃えられることに満足した様子で、伯爵夫人は、茶会で宣伝するように手筈を調えてくれた。
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