奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 皇帝の妃ともなれば、高級な化粧品を惜しみもなく使って肌の手入れを行い、年齢よりも十も二十も若く見える人達ばかりだ。
 だが、エリュシアの持参した魔道具は違う。若返って見えるわけではない。外見年齢は、魔道具をつけていない時と変わらないのだ。

「それでも、肌をより美しく見せられるのであれば、お妃様方も欲しいと思うでしょう……でも、そうね。近頃は、皇宮もすっかり寂しくなってしまったから」

 そういえば、ディーデリックも言っていた。
 皇帝には、正妃の他側妃が何人もいるが、近頃、姿を見せない人が増えたのだとか。
 体調を崩して療養生活に入ったり、皇帝から離縁を言い渡されて生家に戻ったりしているそうだ。
 もうディーデリックという皇太子がいるのだから、これ以上跡取りをもうける必要はないらしい。

(……それなら、なぜ、お義姉様のところに話が来たのかしら……?)

 時戻りする前の人生で、エリュシアは側妃として、この国に嫁がされた。
 嫁いだかと思えば、離宮で放置されていたから、何が目的なのか当時も時戻りしたあとも理解はできなかった。

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