奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
「お気を付けて――何かあったら、呼んでください」
「ありがとう」
兵士はエリュシアを案内すると、会話の聞こえないところへと引き下がった。
だが、何かあったらすぐにエリュシアのところに駆けつけてこられるように気を配っているようだ。
「……あら、こんなところまで来るなんて」
鉄格子の向こうから聞こえてきたのは、皮肉めいたデリアの声だった。
彼女は、藁が敷かれた床に座り込んでいる。さすがに宝飾品は外されていたが、晩餐会の時まとっていたドレスのまま。
髪は崩れ、顔は汚れている。腕に血が滲んでいるのは、暴れて擦れたからだろうか。その傷も、手当すらされずに放置されている。
「デリア」
「その呼び方はどうなのかしら? 私は正妃よ。礼儀を忘れたの?」
牢の中からエリュシアを見る立場になっても、王妃としての誇りは忘れていないようだ。彼女の目は、力を失っていない。
「もう正妃ではないわ。あなたは、処刑される罪人――そうでしょう?」
エリュシアの言葉に、デリアの顔が歪んだ。
「……何しに来たの? 勝ち誇りに? うまいことやったわね。皇太子を垂らし込むなんて」
「ありがとう」
兵士はエリュシアを案内すると、会話の聞こえないところへと引き下がった。
だが、何かあったらすぐにエリュシアのところに駆けつけてこられるように気を配っているようだ。
「……あら、こんなところまで来るなんて」
鉄格子の向こうから聞こえてきたのは、皮肉めいたデリアの声だった。
彼女は、藁が敷かれた床に座り込んでいる。さすがに宝飾品は外されていたが、晩餐会の時まとっていたドレスのまま。
髪は崩れ、顔は汚れている。腕に血が滲んでいるのは、暴れて擦れたからだろうか。その傷も、手当すらされずに放置されている。
「デリア」
「その呼び方はどうなのかしら? 私は正妃よ。礼儀を忘れたの?」
牢の中からエリュシアを見る立場になっても、王妃としての誇りは忘れていないようだ。彼女の目は、力を失っていない。
「もう正妃ではないわ。あなたは、処刑される罪人――そうでしょう?」
エリュシアの言葉に、デリアの顔が歪んだ。
「……何しに来たの? 勝ち誇りに? うまいことやったわね。皇太子を垂らし込むなんて」