奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
言葉にして確認したわけではなかったけれど、この頃から少しずつ彼との間に流れる空気が変わっていった気がする。
 何かのはずみで、一瞬だけ触れてしまった手の温かさ。交わした目の奥にともる熱。
 ――もし、出会いの形が違っていたのなら。
 そう思ったのは一度や二度ではなかった。
 同じ側妃でも、皇帝の側妃ではなく、皇太子の側妃だったなら。
 だが、高望みをしたのがいけなかったのかもしれない。あの日、皇帝に胸を貫かれて死んだのだから。
< 46 / 279 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop