奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
皇帝の側妃と、皇太子。個室に入ることなく、茶会の場に選ばれるのは常に中庭のどこか。
誰が見ても問題のない関係だと言える。テーブルを挟んで座り、礼儀正しく微笑んで、近況報告を交わすそんな仲。
けれど、そんな関係でも気持ちは育っていくというのをエリュシアは知ってしまった。
「……だいぶ温かくなってきましたね」
「あの花は、側妃殿下が、手入れをしていると聞きました」
「自分で花を育ててみるのも悪くはないのではないかと思って」
ディーデリックとそんな会話をしたのは、何度目の茶会だっただろうか。素人でも育てやすい花を庭師に教えてもらって、エリュシアが暮らしていた建物の前にある花壇で育て始めた。
春先に淡いピンク色の花を咲かせるのだが、水やりさえ忘れなければ、綺麗な花を咲かせる可能性が高いうえに、病気にも虫害にも強いのだ。
(あなたと過ごす時間を、少しでも美しくしたかったと言ったらどんな反応をするのかしら)
不意に、そんな気持ちが芽生えてくる。けれど、言葉にはしない。できない。
ただ、この時間が愛おしい。
ディーデリックもそう想っていてくれたらいい。
誰が見ても問題のない関係だと言える。テーブルを挟んで座り、礼儀正しく微笑んで、近況報告を交わすそんな仲。
けれど、そんな関係でも気持ちは育っていくというのをエリュシアは知ってしまった。
「……だいぶ温かくなってきましたね」
「あの花は、側妃殿下が、手入れをしていると聞きました」
「自分で花を育ててみるのも悪くはないのではないかと思って」
ディーデリックとそんな会話をしたのは、何度目の茶会だっただろうか。素人でも育てやすい花を庭師に教えてもらって、エリュシアが暮らしていた建物の前にある花壇で育て始めた。
春先に淡いピンク色の花を咲かせるのだが、水やりさえ忘れなければ、綺麗な花を咲かせる可能性が高いうえに、病気にも虫害にも強いのだ。
(あなたと過ごす時間を、少しでも美しくしたかったと言ったらどんな反応をするのかしら)
不意に、そんな気持ちが芽生えてくる。けれど、言葉にはしない。できない。
ただ、この時間が愛おしい。
ディーデリックもそう想っていてくれたらいい。