奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 エリュシアの言葉に、ディーデリックは深く考え込む表情になった。不安な面持ちで、エリュシアは彼を見つめる。
 どうか、エリュシアにも手伝わせてほしい。
 皇帝を恐れる気持ちが、今までディーデリックへの連絡をためらわせていたけれど、会ってしまったら止まらなかった。

「このままでは、私はまた殺されるかもしれない――そんなのは嫌。今までは、勇気をもてなかったけれど……黙ってあなたを見送るわけにはいかないの」

 そう続けると、ディーデリックは眩しそうに目を細めた。
 胸が、ドキドキする。鼓動が走り始めて止まらない。止められない。
 だが、このままではいけないのだと心の底から思っている。

(……勇気を出すとしたら、今じゃない?)

 心の中で、自分にそう言い聞かせる。
 ディーデリックを愛しているから――認めてしまえば、そういうことなのだ。彼一人、死地に送り込むのは耐えられない。

「魔道具師の力が、必要になることもあるでしょう?」

 渋るディーデリックに、さらに言葉を重ねる。
 ディーデリックが折れたのは、それから三時間後のことだった。
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