奪われる人生なら、 すべて捨ててしまいましょう ~忘れ去られた第七王女による国を巻き込んだ逆転劇~
 一度目の人生で、彼は皇帝を退けられなかった。一度目の経験がある分、彼はうまくやるかもしれない。

「私にも、手伝わせてください」
「そんなことはさせられない」
「私は、私の敵を取らなくちゃ! それに――あの人は危険……あなたが思っているよりずっと危険なんです」

 強く腕を引くと、彼は素直に腰を下ろしてくれた。エリュシアの鬼気迫る表情に、何か感じるものがあったのかもしれない。

「一度目の人生で、私は胸を貫かれて死んだ」
「ああ、そうだ」
「けれど、その直後。私は、私の心は、あの人に捕らえられていたんです。心ではなく、魂なのかも」

 身体から引きずり出されて、どこか狭いところに押し込められた。
 あの時は心だと思っていたけれど、魂なのかもしれない。心と魂の違いなんて、どう説明したらいいのかわからないが。

「ぎゅうぎゅうと押し込められて、そして意識が途絶えた。あの時、本当に死んだのでしょう。あの人は、何か魔力的な要素で……力を集めているのではないかと思うのです」
「異様に若く見えるのも、そのせいかもしれないな」

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