恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
「わかっています。ただ……そういうことは、もう少し積極的に私を求めるようになってから、考えて欲しいものだと思っただけです」

 頬にアルフレッドの唇が触れる。

「それは、その……」
「ご安心ください。リリーから求めるまで、私は待っていますから」

 今日はもう寝ようというのか、額に三度目のキスが落とされた。ただいつもの違うのは、熱い指先が私の唇をなぞり、ふにふにと名残惜しそうに摘まんだことだ。
 まるで、待っていますといわれたようで、恥ずかしさが募っていく。

 私から求めて欲しいなんて。そんな恥ずかしいことできないわよ!

 心の内で、アルフレッドのバカと呟きながら瞼を下ろした。それから眠りに落ちるまで、何度か勇気を出して「触ってちょうだい」ってい伝えようとしたけど、この夜は言葉にすることが叶わなかった。
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