恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 お顔を正面から見ることは出来ないけど、この声は、間違いなく怒ってらっしゃるわ。
 お可哀想に、伯爵様は顔を青ざめさせて頭を抱えてしまわれた。

 お父様は社交界で、不誠実なことを働いた人へ容赦がないと有名だもの。伯爵様としてはまず謝罪をして、フェリクス様とダイアナを引き離すことで、穏便に終わらせるつもりだったのでしょうね。

 当人たちは、そんなつもりなかったようだけど。

「お前は、婚約を破棄する理由が、その不貞以外にもあるというのか」
「はい。まず、ご理解いただきたいことはダイアナが『選ばれた癒し手』だという事実です。彼女はこの国になくてはならない存在! そのダイアナを、こともあろうことかリリーステラ嬢は(しいた)げていたのです!」

 突然、何を言い出すのだろうか。

 身に覚えもないことを突きつけられ、私は一瞬、息をすることを忘れて動きを止めた。
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