恋を知らない侯爵令嬢は裏切りの婚約者と婚約解消し、辺境地セカンドライフで溺愛される
 上手いこと言い返したと思っているのでしょう。その横でフェリクス様がショックを受けているのも奇妙な話ね。

 不誠実なことをした二人が、私のありもしない不貞を咎めている。
 考えれば考えるほど、何て滑稽なのかしら。
 
 黙っていると、私が回答に困って言い訳を考えているとでも思ったのか、ダイアナは余裕の笑みを向けてきた。
 本当に、身に覚えがないのだもの、そう言うしかないわ。

「旦那様、お嬢様、よろしいでしょうか」
「アルフレッド?」

 後ろに控えていたアルフレッドは、お父様に頭を下げた。

「何か、思い当たることがあるのか?」
「おそらく、花祭りの前日だと思います」
「そうよ! 銀髪の男と一緒に装飾店に入っていくのを見たわ!」
 
 ほらねと言うように、自慢げな笑みを浮かべたダイアナだけど、アルフレッドは表情一つ変えずに話を続けた。
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